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MERRY PHOTO DIARY

遊行 ハロウィン祭

搭載:2016/11/5
撮影:2016/10/29
ロケ地:不定

Trick or treat.(悪戯かお菓子か…)

ハロウィンとは10月31日に行われるケルト文化発祥の前夜祭である。
秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う行事で、アメリカ合衆国をはじめ様々な国のお祭りとして定着している。

ケルトでは10月31日は夏の終わりであると同時に冬の始まりであると伝えられている。
その日の夜になるとどこからともなく悪霊が来て作物を荒らしたり子供を攫ったりするので、化け物の仮装をして悪霊の目を誤魔化して身を守るというものである。
魔女、ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインといった「恐怖」を主体とした仮装が慣わしである。



カボチャのお化けとして有名なジャック・オー・ランタン。
アイルランドの古い伝承が由来になっており、悪霊を寄せ付けない魔除けの装飾として広まっている。
かつてはカブで作った灯りだったが、カボチャに替わったのはハロウィンがアメリカ合衆国で定着してからである。
カブで作ったランタンはかなり不気味…見たいなら適当にググってくれ。

ジャック・オー・ランタンの由来を要約すると…
はるか昔にジャックという名の悪魔すら騙すズル賢い人間がいた。
悪魔と交わした「死んでも地獄に落ちない」という契約により、死んだ後、地獄に行けず、生前の悪行から天国にも行けず…
仕方なく現世に戻ろうとするも道は暗く、たまたま道に転がっていたカブをくりぬいて中に火を入れてランタンの代わりにした。
ジャックは今でもこのランタンを手にこの世とあの世を彷徨っている。

カブに憑依して彷徨っているという伝承もあるらしいが、ここは解釈の違いだろう。
元より空想のお話なので伝承は国によって様々である。



ハロウィンでは子供たちが「Trick or treat.(トリック・オア・トリート)」のフレーズで家々を訪ねてお菓子をもらう習慣がある。
古代ケルトの「ソウリング(Souling)」と呼ばれるケーキを乞う習慣が由来になっている。

フレーズを要約すると「悪戯されたくなきゃお菓子渡せ。」みたいな意味合いである。
海外では子供たちのために大量にお菓子を用意して待ち、家へ訪れた子供たちにお菓子を振舞う交流会みたいな機会となっている。
ちなみに、もし悪戯を選ぶと家に生卵が飛んでくるのだとか。アメリカ、フリーダムだな…
もし子供たちに言われたらお菓子渡して「ハッピーハロウィン(Happy Halloween)」、「トリート(Treat)」とでも言ってあげよう。



神戸の六甲アイランドで「ハロウィンフェスティバル」なるお祭りがあったので行ってみた。
週末2日かけて行われ、収穫祭、仮装パレードなど様々なイベントが開催される比較的規模が大きいお祭りである。



街道には仮装コスプレしている人達で賑わっていた。

日本でハロウィンが定着しだしたのは1990年代。
以前はあまり馴染みのなかった祭事だが、東京ディズニーランドで行われたイベントがきっかけとなり日本でもハロウィンが知れ渡るようになった。
それから菓子メーカーの経営戦略の後押しもあり全国各地でも行事としてハロウィンが行われるようになった。

しかし、日本で浸透したのはハロウィンという「娯楽」のみであり、祭り本来の意味・由来は全く浸透していない。
それ故か衣装もハロウィンを連想させるような仮装ではなく、アニメや漫画のキャラのコスプレをしている人が大多数である。
日本ではハロウィンの意味などどうでもよく、好きな格好をして楽しめればそれで良い、みたいな感じなのだろう。



元より舶来の伝統なので由来など気にしてもしょうがないのだろう。
お金かけて祭りを主催する目的は有体に言えば観光客を呼び込んだ町興しなのだから。