本文へスキップ

MERRY PHOTO DIARY

ショールーム

SPINGLE MOVE SPM-356

搭載:2016/11/8

購入:2016/5
ジャンル:靴・スニーカー

日常生活に欠かせないファッションアイテム。
履き心地バツブンなMade In Japanスニーカー。
SPINGLE MOVEのハイカット・スニーカー「SPM-356」である。



職人の街と呼ばれる広島県府中市でデザインと履き心地を追求し続けている国産ハンドメイドスニーカーブランド「SPINGLE MOVE(スピングル・ムーヴ)」。
職人による手作業工程の多さと素材のこだわりで大量生産されていない高級スニーカーである。

シンプルなハイカットモデルでありながら高級感満載な革仕様の定番人気モデル「SPM-356」。
外観は黒白で統一されロゴマークすら付いていないという洗練されたデザインである。
素朴だと感じる人もいるかもしれないが、自分はやたらロゴマークがでかく装飾多様なデザインよりこっちのほうが好みである。

この靴の魅力といえば職人の手仕事による仕上げで実現された履き心地だろう。
日本人の足にフィットするよう徹底的に追求して造られた一足なだけに4、5千円台のスニーカとは履き心地が桁違いである。
実際に履いてみないと実感できないが、セール品狙いの値段だけで選んでいた過去が黒歴史に思えてくる程の違いがある。
自分が今まで履いていた靴は一体なんだったのだろう…そう思える一足である。

ほぼ毎日使うものにはやはり良いものを使った方が得られる満足感は高い。
それに物持ちも良い、まさに一石二鳥である。



購入してから1シーズンほど履いた後に撮った写真なので靴には所々のダメージがある。
値段が値段だけにそれなりに気を使って履いているつもりだがそれでも使用に伴うダメージというものは回避できない。
Lrでの編集で綺麗にすることもできるけど面倒くさい…実物に忠実なほうがレビューとしてふさわしいだろう。

もちろん現在進行形で今でも履いている。
ちゃんと履いた上で記事にしていると思ってもらえれば嬉しいかも。



SPINGLE MOVEスニーカーの特徴でもあるバルカナイズ製法。
主に価格の高いローテクスニーカーなどに採用されており、スニーカー本体とソールの間にゴムを挟み釜に入れて加硫剤を混ぜつつ圧力を加えながらゴムを硬化させていく、という製法である。
この製法により靴底とアッパーをしっかり一体化させることで結合力が強く分裂しにくい。
現在主流のセメンティング製法(ゴムと本体を接着剤で張り合わせる製法)で造られたスニーカーに比べて型崩れしにくく丈夫な仕上がりとなっている。

かつてはスニーカーの定番製法だったが、手作業による工程が多く時間と手間がかかるため生産効率は悪く、現在国内では3社しかこのバルカナイズ製法を行っていない。
ゴムメーカーとして創業し培われた技術も豊富で自社工場を持つ企業だからこそ可能な製法である。
莫大な手間がかかるだけに仕上がりのクオリティはピカイチ、並みのスニーカーでは味わえない快適性が実現されている。



サイドジップの採用により靴紐を緩めずして履くことができる。
金属ファスナーはYKK社の「EXCELLA(エクセラ)」シリーズ。
本革ビジネスバッグとかにも採用されており、チャックの上げ下げが滑らかでかっちり締まる。
ちゃっちくすぐ壊れるセール服のファスナーとは大違いである。

ハイカットモデルだと靴紐を一番上まで通すと踵が引っかかるので紐を緩めて履く手間がかかるのだが、ジップ付きであれば足首部分が広がるのですんなりと履けてしまう。
ブッテロのブーツとかにも採用されている便利な構造である。



靴を履く上で最もダメージを受けやすい踵部分。
ベロアと呼ばれる起毛が緻密な革を採用することで踵へのダメージを減らす造りとなっている。



所有欲が満たされる本革仕様のスニーカー。
革はオイルレザー、牛革にオイルを染み込ませてしなやかに仕上げたものである。
バルカナイズ製法だと革にもそれなりの強度が必要となるので安い粗悪な革では圧力に耐えられず完成前に破れてしまう。
丈夫な革は高価で流通が少ないので完成したスニーカーもそれに見合った値段となっている。

高品質な素材を使っているだけに普段使いであれば致命的なダメージを負わない限り簡単に破れる心配はないだろう。
使い込み前提の素材なので一般的なキャンパス生地に比べて傷みにくく物持ちが良い。



ソール部分。
ほぼ毎日履いているからだろうか、特に踵部分の磨り減りはやや早いように感じる。

バルカナイズド製法で造った靴にはソールが減っても修理できないという欠点がある。
しかしSPINGLE MOVEにおいては公式より修理もしくは補修ができるという。
靴を長く使って欲しいという想いから行っているサービスなのだそうだ。

履き続ける以上、ソールの磨耗はどうしても避けられない。
値の張る靴なのでソール修理で使うことを視野に入れてもよいだろう。



SPINGLE MOVEのロゴマーク。
「私たちが作る靴の成長軸がコマのように回転し、螺旋を描きながらどんどん上に伸び続けいつしか、たくさんの方に愛される靴になってほしい」という意味がこめられている。



spin(回る)と現在進行形の意であるing、そして直読みのgleでSPINGLE。
この3単語でぐるぐる回る様子を示しているのだとか。



コストより質に拘った本物のハンドメイドスニーカー。
一度履いたらもう安いスニーカーとはおサラバである。